患者さんとの関係
配偶者
病歴・治療歴
2012年10月:大腸の内視鏡検査により1.5センチ程度の腫瘍が見つかる。腹腔鏡により大腸がん手術。30センチ大腸を切除する。
2013年01月:病理検査の結果、リンパ節転移あり。ステージⅢとの診断。予防のための抗がん剤UFTを半年間服用。
2013年10月:血液検査の腫瘍マーカーCEAが上昇。CT、PETによって両肺転移(複数個)が確認され、抗がん剤治療を勧められる。
2013年11月:有明癌研でセカンドオピニオンをとる。抗がん剤治療開始。ゼローダ、オキサリプラチン、アバスチン投与。
2014年02月:腫瘍マーカーCEA正常値に戻り、CT画像にも両肺の腫瘍はほとんど映らなくなる。血管痛のため、オキサリプラチン中止。ゼローダ、アバスチンのみ続ける。
2014年07月:肺転移巣、両肺とも同じ個所に再発。呼吸器外科のセカンドオピニオンを取り、手術可能との診断を受ける。
2014年09月:左肺下葉の腫瘍を胸腔鏡手術によって切除する。手術の前後はアバスチンを中止し、ゼローダのみ服用。
2014年10月:右肺上葉の腫瘍を胸腔鏡手術によって切除する。同時に胸部静脈にポートを埋め込む。
2014年11月:腫瘍マーカーCEA正常値に戻る。抗がん剤オキサリプラチン投与を再開する。
2014年12月:アバスチン再開。
2015年05月:血液検査の結果、腫瘍マーカーCEA上昇。抗がん剤中止。CT、PET検査の結果、縦隔と右肺門部のリンパ節転移が見つかる。手術は困難との診断から、抗がん剤セカンドラインの投与を勧められる。
2015年06月:がん研柏東病院で陽子線治療、放医研で重粒子線治療についてセカンドオピニオンをとる。東病院で陽子線治療が可能との診断を受ける。重粒子線は副作用の危険性が高く、避けるべきとのこと。陽子線治療を選択する。
2015年08月:44回の陽子線治療終了。
2015年09月:CT及び血液検査。CTでは腫瘍がやや小さくなっている。腫瘍マーカーCEAは陽子線治療前は31であったが、9まで下がる。経過観察。
2015年12月:腫瘍マーカーCEA上昇。CT、PET検査の結果、右肺上葉一個、左肺下葉一個、腫瘍あり。縦隔リンパ節も大きくなっているため、抗がん剤による全身治療を勧められる。
2016年01月:抗がん剤イリノテカン、ベクティビックス投与開始。顔、首などの発疹がひどい。
2016年04月:腫瘍マーカーCEAが上昇したため、抗がん剤ストップ。3次治療としてロンサーフ服用開始。
2016年05月:ロンサーフ2クール服用するが、CEAは上昇傾向。凍結療法について亀田総合病院京橋クリニックでセカンドオピニオンを得る。治療プランを示され、凍結療法を選択する。ロンサーフは中止。
2016年06月:亀田総合病院本院で縦隔リンパ節及び左肺腫瘍を縮小させるために気管支動脈塞栓術を行う。5日間入院。
2016年06月:3週間後に再び入院し、右肺上部腫瘍に凍結療法を行う。気胸も起こらず、施術後4日で退院する。
2016年08月:CT検査で右肺に新たに複数個の腫瘍が見つかったため、左肺下部3センチの腫瘍のみを凍結する。軽い気胸が起きたが、1週間で退院する。
2016年09月:凍結した部分以外に複数の腫瘍が出現し、腫瘍マーカーも上昇し続けているため、抗がん剤治療を再開する。しばらくロンサーフを服用することにする。
2016年10月:遺伝子解析の結果、HER2陽性とわかる。HER2遺伝子異常のための抗体による治験への参加を勧められる。ロンサーフを中止し、3週間後から治験に参加することにする。
2016年11月:予定通り治験に参加する。CT、血液などの検査後、抗体及び抗がん剤投与。CEAが下がり、副作用も軽い吐き気程度ですむ。投与4日目に退院。一か月間は一週間おきに検査し、そのあとは三週間おきに投与する予定。
2016年12月:3クール終了し、腫瘍マーカー7.6まで下がる。
2017年01月:4クール終了。腫瘍マーカー4.7。脱毛、だるさなどの副作用はあるが、正常値まで下がる。
2018年02月:腫瘍マーカー上昇28、CTにも両肺に腫瘍がはっきり映るようになり、薬を中止する。
2018年03月:医師主導の新たな治験(スチバーガと免疫チェックポイント阻害剤オプジーボを組み合わせたもの)に参加する。
2018年05月:治験後初めてのCT検査。両肺ともに腫瘍がやや小さく、薄くなっているので、薬が効いているとのこと。マーカーも3月の半分になる。オプジーボの副作用がひどい。
2018年09月:CTの数値が3桁になる。CT検査の結果、肺の中の腫瘍は小さくなっているが、縦隔のリンパ節が一個のみ2センチ大になっている。新生物と思われるため、以前使った抗がん剤が効く可能性があるということで、アバスチン、ロンサーフに切り替える。
2018年10月:CT検査の結果、縦隔リンパ節がかなり小さくなっていた。主治医の狙いが当たり、肺の中の腫瘍は小さいまま。アバスチン、ロンサーフを継続する。
【関連のエピソード】
肺転移した腫瘍の手術にかんして、その切除部分の大きさの判断が病院によって異なりました。セカンドオピニオンをとった有明癌研では、かなり大きく切ることになるので術後酸素ボンベを使うことになるかもしれないと言われ、手術をあきらめて抗がん剤治療を選択しました。が、次に肺に再発したとき、ほぼ同じ個所、同じ大きさの腫瘍でしたが、聖路加の呼吸器外科に新しく着任した医師は、極小切除主義だそうで、術後の生活にはほとんど支障のない範囲で手術できるという判断でした。両肺手術後、日常生活は元のまま、元気に過ごすことができました。手術のやり方についても、医師によって判断が異なることが分かりました。
治療を受けた病院
聖路加国際病院、柏がん研東病院、亀田総合病院
【関連のエピソード】
抗がん剤による全身治療か、手術または陽子線による対症療法か、どちらを選ぶかは、同じ総合病院内であっても、その専門分野によって医師の判断が異なりました。腫瘍内科医は抗がん剤治療を強く勧めるし、大腸がんを執刀した消化器外科の医師は、根治の可能性もあるので陽子線をやるべきだと勧めました。総合病院の中でセカンド、サードオピニオンを簡単に取ることができて複数の医師の意見を聞けることに、満足しています。