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2019年12月に胃がんステージ4を告知された妻の夫(50代)です。
就職活動中の一人娘(現在、大学生3年)が居ます。(告知当時、現在は就職し東京で一人暮らし)
患者本人に胃がんの自覚症状は無く、脇腹痛で受診したら貧血が深刻との事で検査すると胃がんが見つかりました。
(腹膜転移による尿管狭窄で水腎症になり脇腹痛。胃壁からの出血による貧血。ただし血便等は無かったらしい。)
胃がんの早期発見が難しい現実を知りました。定期的な内視鏡検査でしか発見は難しそうです。
3型胃がん、HER2陽性、非MSI-Highとまで、わかっています。(HER2は陰性の結果も存在しているので不確実)
主治医の説明では、腫瘍マーカーには表れないタイプ(体質)らしく、初診時以来、ずっと一桁台で安定しています。
1年10か月近く化学療法を続けていますが、そろそろ使える薬も無くなってきました。(あとはオプジーボのみ)
高熱と痛みに見舞われる事が多いですが、毎回、尿管カテーテルの詰まりによる腎盂腎炎が原因になっています。
2022年1月、がんセンターで化学療法を開始してから、25か月で治療不能の判断が下されました。
今後は、残された人生を自宅で家族とともに過ごすことを最優先に考え、在宅緩和ケアの道を選びました。
2022年3月9日 23:15 自宅にて永眠しました。応援ありがとうございました。
2019.12.11 初診(告知)2019.12.17 入院 ~ 12.28 退院
2019.12.19 XELOX療法+ハーセプチン開始
2020.01.08 2クール目(通院)
2020.01.29 3クール目(通院)
2020.02.12 胃カメラ、造影剤CT
2020.02.19 4クール目(通院)
2020.03.10 尿管カテーテル交換(初診当日に片側尿管に施術)
2020.03.11 5クール目(通院)
2020.03.31 発熱(原因不明)により休薬延長(感染症では無い)
2020.04.06 好中球減少により休薬延長(休薬しても回復しない為)
2020.04.07 胃カメラ、造影剤CT(癌の進行が疑われる為)
2020.04.13 6クール目(通院)(癌は進行していないと思われる。)
2020.05.13 7クール目(通院)(2週間休薬するも貧血改善せず、オキサリを減薬投与)
2020.05.19 7クール目に入ったとたん、体調が悪化し改善しないので連絡した結果、入院して様子見となる。(5日間の入院)
2020.06.03 7クール目中止休薬し、8クール目は、オキサリ抜きで治療続行となる。(ハーセプチン+ゼローダ)
2020.06.09 尿管カテーテル交換(帰宅後、39度以上の発熱が数日続いたが解熱剤で回復)
2020.06.18 胃カメラ、造影剤CT(定期検査)
2020.06.24 9クール目(通院)検査結果説明の印象からは悪化はしてないが、懸念はいくつかありそう。
2020.07.15 10クール目(通院)オキサリ抜きにより体調は安定し貧血も改善しつつある。腎臓、肝臓の悪化は許容範囲。
2020.08.05 11クール目(通院)鉄剤抜きでも貧血無し!腎臓、肝臓も許容範囲内。痺れは改善せず。
2020.08.17 胃カメラ、造影剤CT(定期検査)
2020.08.26 12クール目(通院)検査結果は、憎悪無し。怪しい箇所(転移)はあるので経過を見ましょうとのこと。治療継続。
2020.08.31 脇腹痛(初診時とは反対側)で緊急検査(採血、採尿、レントゲン、エコー、CT)両側とも尿管カテーテルとなる。
2020.09.16 13クール目(通院)採尿、採血、心臓エコー、診察。先月末から血尿が続いているがヘモ値は維持している。その他数値も許容範囲内。2次治療へ移行するのがセオリーらしいが、薬が合わない可能性大。3次治療のオプジーボか、現状の治療を続行するかで、本人が続行を希望した。2週間後にPET-CTで転移の状況を検査することに。
2020.10.01 PET-CT検査のみ(結果は後日)
2020.10.12 14クール目(通院)採尿、採血、診察。PET-CTでは、初診時からあった集積箇所以外は見つからず。血尿は少し改善。旅行に行けるくらい体調は良いので、このまま治療を継続することに。
2020.10.19 胃カメラ、造影剤CT(定期検査)
2020.11.02 15クール目(通院)検査結果説明では、腹水が少し増えている。ただ血液検査も本人の体調も悪くは無い。次の検査で腹水が更に増えていたら2次治療へ切り替える。
2020.11.25 16クール目(通院)血液検査と問診。結果も悪くなく、体調も変化なしなので、ハーセプチン+ゼローダを継続。血尿は止まったようである。
2020.12.14 胃カメラ、造影剤CT(定期検査)15日 カテーテル交換 16日 心臓エコー、問診
2020.12.16 1次治療終了(オキサリは7月に中止済み、ハーセプチンの副作用で心臓が弱ってきた。ゼローダだけの服用は効き目が弱い。)各種検査結果は良好で腹水も増えていなかった。来年1月中旬まで治療薬無しで過ごしてみて、それから2次治療へ変更することにした。
2020.12.18 17日ごろから腰痛(腎臓痛?)と発熱(38度越え)になる。鎮痛剤と解熱剤で経過観察。
2021.01.12 2次治療の為、入院。13日からサイラムザとパクリタキセルの点滴開始。15日あたりから発熱でしんどいらしい。
2021.01.21 退院。副作用も軽く帰宅中にマクドで食べて、スーパーで買い物してと元気な様子。
2021.01.27 2次治療 1クール目 1/13(入院)1/20(入院)1/27(通院)点滴して1日ほど経つと必ず40度近い発熱が数日続く。(原因不明)
2021.02.08 2次治療 2クール目 血液検査結果は、まずまず良かった。発熱の原因は不明のままで、解熱剤でガマンするしかないみたい。
2021.02.15 心臓エコー、胃カメラ、造影剤CT(定期検査)
2021.02.22 結果説明では、癌自体は悪化している所は見つからず。左腎臓に影があるのでエコー検査。発熱の原因か?=>泌尿器科受診へ
2021.02.24 泌尿器科では、腎臓の炎症かもしれないが抗がん剤続けてるので仕方ないレベルということで様子見となる。
2021.03.08 2次治療 3クール目 血液検査も許容範囲の結果だったのでサイラムザとパクリタキセル(減薬)を点滴。
2021.03.15 パクリタキセルのみ 03.22 サイラムザのみ(パクリタキセルはスキップ)
2021.04.05 2次治療 4クール目 血液検査も合格し、サイラムザとパクリタキセル(減薬)を点滴。
2021.04.12 パクリタキセルのみ 04.19 サイラムザのみ(白血球、好中球数足りず、パクリタキセルはスキップ)
2021.04.20 尿管カテーテル交換(左右)
2021.05.10 2次治療 5クール目 3週間ぶりの点滴。血液検査も問題無し。サイラムザとパクリタキセル(減薬)を点滴。
2021.05.24 骨髄抑制はイマイチ回復していなかったが、サイラムザとパクリタキセル(減薬)を点滴。
2021.06.03 今回は、点滴して翌々日から発熱が始まり、今現在までほとんど下がらないという初めての症状。ただし解熱剤は効く。
2021.06.07 2次治療 6クール目 2週間経っても解熱せず体調もすぐれないので問診のみの休薬。血液検査で若干の感染症の形跡あり。
2021.06.09 発熱が収まらず脇腹も痛いらしいので病院へ。PCRは陰性、エコー検査で腎臓の腫れ確認後、尿管カテーテルを交換した。
2021.06.11 胃カメラ、造影剤CT(定期検査)発熱と体調は改善方向へ。(腫瘍の縮退による)胃の閉塞が進行との事
2021.06.14 体調の回復は遅く点滴治療は難しいらしい。胃の閉塞も深刻な状態になっており手術を急いで体調が戻れば治療再開との事。
2021.06.17 入院(手術は週明け月曜)し、鼻から管を入れて胃の中を吸い出す事になったが、あまりの激痛でギブアップ。あと、脾臓が大きくなっていると言われた。
2021.06.21 胃と小腸のバイパス手術終了(腹膜播種は、まだ酷い状態にはなっていないとの報告)
2021.07.03 退院(術前よりも空腹感が得られるようなり食欲旺盛になったと本人も喜んでいる。)
2021.07.07 問診(血液検査と今後の治療方針についての説明など)貧血と栄養状態は少し改善しているので来週からエンハーツを投薬。
2021.07.14 念の為に入院してエンハーツ治療を開始。入院前のCTにて肝臓に転移の疑いありとのこと。
2021.07.20 尿管カテーテル交換(左右)短期間で詰まるようになってきたので詰まりにくいタイプに変更。
2021.07.23 退院(回復した訳では無いが、病院食を受け付けなくなったので自宅の方がマシと本人が退院を決めた。)
2021.08.04 エンハーツ2回目(まあ、なんとか投薬可能なレベルまで回復した。)
2021.08.25 エンハーツ3回目(きつい副作用が2週間続いたので20%減薬で様子見。胃カメラ、CTの結果は特に悪化無しとの事)
2021.09.29 エンハーツ4回目(休薬延長したがヘモ値7台だったので更に減薬投与となる。1週間前にワクチン1回目を注射)
2021.10.03 腎臓が痛みだす。(尿管カテーテルの詰まり?)熱も38度台で食事も摂れず。
2021.10.04 左腎の腎盂腎炎であろうとの所見で入院(体力が落ちており、副作用も重なってくるので入院した方が良いとの事)
2021.10.06 交換してもすぐ詰まるだろうが、尿管カテーテルを交換し、少し痛みは改善した。
2021.10.11 胃カメラ(入院ついでに前倒しで検査)胃内は著変なしとの事。12日 退院
2021.10.20 血液検査にてヘモ値不足(回復が良くない)更に3週間ほど休薬し、オプジーボへ切り替える予定となる。
2021.11.10 ヘモ値、腹水は、あまり改善せず。これ以上休薬しても改善しない可能性が高く、少し無理してオプジーボを点滴した。
2021.11.24 ヘモ値、腹水、改善せず、赤血球もかなり減少。肝臓系の数値も悪化しておりオプジーボもスキップとなった。
2021.12.01 肝臓系の数値が改善しておらず胆管にステントを入れる手術が必要になった。(週明け入院し内視鏡手術)
2021.12.06 CTにより十二指腸狭窄が濃厚と判断され、まずは十二指腸にステントを入れた。(現状、それしか出来ないとの事)
2021.12.10 退院(術後、血液検査の結果が改善しはじめたので十二指腸の詰まりだけが原因だったと判断された。)
2021.12.13 緊急手術(11日から腹痛となり週明けを待ち診てもらったら腸閉塞になっていた。破裂する寸前なので緊急手術でストーマ造設となる。)
2021.12.20 昨日から発熱が酷くなり検査の結果、左腎の腎盂腎炎と判断され尿管カテーテルを交換した。
2021.12.28 退院(腹水でお腹がパンパンになったので27日に穿刺し3.5L抜く、体調が改善したことで退院が許可された。)
2022.01.04 診察(3日から発熱、血液検査は炎症と肝臓の悪化を示す。もう少し様子を見て状態が改善しないようなら再入院)
2022.01.12 診察(発熱は治まったが体調は良くない。血液検査では肝臓系がかなりの異常値を示す。急遽CT検査し胆管狭窄が確定的で翌日手術にトライ)
2022.01.13 手術(胆管にステント留置を試みるも、バイパスした小腸からの経路しか無く処置不能だった。)緩和ケアしか出来なくなった。
2022.01.19 退院(素人目にも黄疸が出ているのがわかる。)がんセンターを卒業し、自宅近くの訪問医に在宅緩和ケアをお願いする事になった。
2022.01.24 自宅にて腹腔穿刺(3L抜く、薄いビール色)
2022.02.08 自宅にて腹腔穿刺(1.5L抜く、薄いコーラ色、粘性あり)
2022.02.14 自宅にて腹腔穿刺(2L抜く、コーラ色、出血は少なかった)
2022.02.21 自宅にて腹腔穿刺(2.2L抜く、コーラ色)数日前から右手が不自由に、今日は自力で立ち上がれない。常に腕が震えている。
2022.02.22 がんセンターで尿管カテーテル交換の予定だったが、病院往復の体力が無いと判断しキャンセルした。夕方、キッチンで転倒したが怪我は無かった。夜、洗髪したら気分が悪くなり意識が無くなる。15分くらい抱きかかえていたところ、なんとか戻った。
2022.02.23 朝食を食べようとしたら顎が動かないと言う。しばらくしたら治ったが、錠剤を飲むのがやっとという感じ。訪問看護師さんに足のマッサージをしてもらった。
2022.02.25 今朝は一人でトイレまで行けたようだ。でも、もう意識は朦朧としていて会話もかみ合わない。看護師さんの所見だが、息が浅くなってきているので、もしかしたら数日中に息が止まるかもしれないらしい。
2022.02.28 自宅にて腹腔穿刺(2.5L抜く、薄いコーラ色、粘性が低くなり尿の色も赤味が抜けて正常な感じになってきた。)
2022.03.02 呼吸は30秒に1回くらいに。ほとんど生気は感じられなくなっている。それでも話しかければ反応は返ってくる。
2022.03.06 イチゴやリンゴを口に運んでやると、おいしそうに食べる。しかし呼び掛けに反応する事は、ほぼ無い状態。処方された錠剤も飲めそうにない。
2022.03.07 肝性脳症の末期となり、錠剤の処方は終了、腹水を抜くのもリスクの方が高いと判断される。あとはオプソのみで緩和を続けるのみとなる。
2022.03.08 昨日から便が全く排出されなくなった。尿は出ている。固形物を食べさせることはやめておくことにする。氷を口に入れるとガリガリと嚙み砕く力はある。
2022.03.09 昨晩から、うーんうーんと言いながら息をするようになる。お腹を指圧しながら朝を迎えたら便が出ていた。看護師さんが来る昼過ぎにはストマが満タンに。血圧を測ると40台に低下していた。結局、筋弛緩状態で便が出るようになっただけだった。いよいよカウントダウンが始まった。
2022.03.09 23:15 娘の腕に抱かれた状態で永眠しました。
告知から2ヶ月経過し、妻の体調もひとまず落ち着いたところで記録を残していきたいと思い登録しました。
ネットを検索しても、悲しいストーリばかりがヒットします。
ここでは、生き延びている方々の情報を知りたいし、教えてもらいたいと思っています。
そしていつか、不安でいっぱいの人達に、勇気を与えられる側の体験者の一人になりたいです。
運命には逆らえないけど、出来ることはあるはず。
主治医と患者の信頼関係はとても大切ですね。だけど、盲目的に治療を任せてしまうのは危険な気がしています。
医師も人間ですから、告知内容や治療方針の判断が必ずしも患者にとってベストではない側面もあるだろうなと思ってます。
夫としては、なるべく客観的に判断できるように気を付けたいと思っています。
【同じような境遇になってしまった方々に伝えたい事】
妻が最後に退院してから息を引き取るまでの約1か月半を一人娘と共に自宅で介護しました。
介護する側も病んでしまうくらい過酷な経験でしたが、それでも可能ならホスピスよりも自宅で最後まで寄り添うことをお勧めしたいです。
ただし、最後までホスピスを利用する可能性は残しておくべきだとも思います。
そして一番伝えたい事は...
緩和ケアの最終段階(医療用麻薬の量を増やす段階)では、痛みと苦しみの緩和と引き換えに本人との意思疎通が難しくなっていきます。
そうなる前に、お互いの「伝えたい思い」を、もうこれ以上無いと思えるくらい交わしておくべきです。
死ぬのを前提にした会話になるので、なかなか難しい事なのですが、それが安らかな最後を迎える為に重要だと思いました。
[血液型] A(患者本人)
[星座] おうし座(患者本人)
[趣味・特技] 大食い番組を見る事(患者本人)
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